■ 半夏厚朴湯の処方解説
半夏厚朴湯は、のどのひっかりや咳に使用する漢方薬です。
半夏厚朴湯は、胃腸が弱く 気分がふさいで晴れ晴れしないといった神経症状の人に用いる薬方です。胃気上逆・脾気逆・梅核気に使用します。
痰飲による症状である、悪心・嘔吐・吃逆に、上腹部膨満感やつかえなどの気滞の症状をともなう。(胃気上逆)
咳嗽・白色の喀痰・咽喉部の刺激感・嗄声・胸部が脹って苦しいなどの症状で、甚しければ呼吸困難あるいは喘息様発作をともなう。(肺気逆)
軽度の浮腫を生じることのある。咽に梗塞感があり吐いても出ずのみこんでもとれない。ただし食事などの嚥下に障害はない。(梅核気)
半夏厚朴湯の臨床応用
神経性胃炎・胃炎・気管支炎・気管支喘息・咽喉炎・声帯浮腫・神経性嘔吐・妊娠嘔吐・咽部神経症・ヒステリーなどで、痰飲・痰湿による気逆あるいは痰気欝結を呈するもの。
半夏厚朴湯(煎じ薬)・・・ K161 (薬局製剤)
配合生薬 |
薬量 |
中医効能 |
方剤解説 |
半夏 |
6.0g |
消痰散結・胃気降逆 |
痰飲を除き結実をさばき、逆流する気を降ろして胃を調和させます。 |
茯苓 |
5.0g |
利水滲湿 |
貯留している湿を尿として排泄させます。
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厚朴 |
3.0g |
行気導滞・化気平喘 |
半夏を補助して胸部の痞塞感をさばき上逆した気を降ろして息切れを抑えます。 |
蘇葉 |
2.0g |
行気和中 |
発汗作用で風寒を穏やかにさばき脾胃の気を巡らせ作用を調整します。 |
生姜 |
1.0g |
温中止嘔 |
中焦を温め嘔吐を止めます |
半夏厚朴湯エキス剤・・・「クラシエ」漢方半夏厚朴湯エキス顆粒
成人1日の服用量3包(1包1.0g)中
半夏厚朴湯エキス(1/2量)・・・750mg
〔ハンゲ3.0g、ブクリョウ2.5g、コウボク1.5g、ソヨウ1.0g、ショウキョウ0.65gより抽出。〕
添加物として、ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖を含有する。
効能
気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症:神経性胃炎、不安神経症、つわり、せき、しわがれ声
半夏厚朴湯の使用上の注意・添付文書はこちらから