■ 扶陽理中顆粒の処方解説

扶陽理中顆粒は、人参湯に温める力の強い附子を加えた漢方薬です。

扶陽理中顆粒の主治は、中焦の虚寒証です。冷えによる水様便の下痢、吐き気、嘔吐、食欲不振、腹痛を改善させます。人参湯の症状よりもひどいときに使用します。

扶陽理中顆粒の臨床応用

慢性胃炎・胃十二指腸潰瘍・慢性結腸炎・消化不良症・その他の慢性疾患で、脾胃虚寒の症候を呈するもの。あるいは急性胃炎・急性腸炎などで、脾胃実寒（寒邪直中）を呈するもの。温中健脾・散寒

扶陽理中顆粒（煎じ薬）

 配合生薬  薬量  中医効能  方剤解説
 人参  3.0g  大補元気・補脾益気  元気を大いに補うことで陽と中焦に気を強くします。
 甘草  3.0g  薬性調和  他薬の薬効を調和させます
 白朮  3.0g  健脾燥湿  脾胃機能を高め湿をさばきます。
 乾姜  3.0g  温中散寒  脾胃の陽を温め裏寒をさばきます
 炮附子  0.5g  温陽散寒・止痛  全身の陽気を温め、気血を巡らせ、止痛し、除湿します

炮附子の含まれた煎じ薬の煎じ方

炮附子の入った煎じ薬は、約1時間くらい煎じるようにします。煎じ薬を少しなめてみてしびれなければ、大丈夫です。また、水から煎じ沸騰しても吹き上がらない程度の火加減で煎じふたをしないで煮詰めないように注意してください。
煎じる時間が短いと、このお薬の副作用であるしびれ・動悸・胸苦しさ・頭痛などの症状が出やすくなるためです。十分な時間加熱することで、これらの副作用を防ぐことが出来ます。

扶陽理中顆粒エキス剤・・・扶陽理中顆粒エキス顆粒「クラシエ」

扶陽理中顆粒成人１日の服用量3包（１包1.6g）中
附子理中湯エキス粉末・・・3,800mg
〔ニンジン・カンキョウ・カンゾウ・ビャクジュツ各3.0g、ブシ末1.0gより抽出。〕
添加物として、乳糖、ヒドロキシプロピルセルロースを含有する。
〈成分に関連する注意〉
本剤は天然物（生薬）のエキスを用いていますので、顆粒の色が多少異なることがあります。

効能
体力虚弱で、手足の冷えが強く、疲れやすいものの次の諸症：胃腸虚弱、下痢、嘔吐、胃痛、腹痛、急・慢性胃炎

扶陽理中顆粒の使用上の注意・添付文書はこちらから

　　　　　　　
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