■ 胃苓湯の処方解説

胃苓湯は、冷え腹・腹痛・急性胃腸炎に効果のある漢方胃腸薬

胃苓湯は、平胃散と五苓散をあわせた処方で、寒湿困脾に使用します。水瀉性の下痢、嘔吐があり、口渇、尿量減少の症状を伴う人の冷え腹、腹痛、急性胃腸炎、暑気あたり、食あたりに効果があります。

胃苓湯の臨床応用

日射病、食中毒、急性腎炎、ネフローゼ、水溶性下痢

胃苓湯（煎じ薬）・・・　K ３（薬局製剤）

 配合生薬  薬量  中医効能  方剤解説
 蒼朮  2.5g  燥湿健脾  湿を乾燥させて脾の運化機能を高めます。
 陳皮  2.5g  行気化湿・導滞
 和胃止嘔		  気を調節して湿を変化させて鬱滞を除きます。厚朴を補佐し上逆する気を下ろし吐き気を押さえます。
 沢瀉  2.5g  利水滲湿  淡甘寒性で、湿を除き排尿を促進し膀胱に働きかけ熱を除きます。
 白朮  2.5g  燥湿健脾  茯苓と共に脾の機能を高めてその運化機能を良くし湿を除きます。
 厚朴  2.5g  温中理気・理気和胃  湿を除き気の流れを促進して膨満感を抑えます。
 猪苓  2.5g  利水滲湿  排尿を促進して湿を除きます。
 芍薬  2.5g  斂陰緩急止痛  利水薬による陰液の損失を防ぎながら、下痢の腹痛を緩和します。
 茯苓  2.5g  利水滲湿・健脾利湿  排尿を促進して脾気虚の湿を除き脾の機能を高めます。
 桂皮  2.0g 通陽化気  命門の火を温めて膀胱の尿生成機能を改善します。脾気を補い湿を上昇させて、腎と膀胱の湿運化・気化を楽にします。
 大棗  1.5g  補気健脾  気を補い建脾します。
 甘草  1.0g  健脾・薬性調和  脾を強くして他薬の効能を調和させます。
 生姜  1.5g  脾胃和解  脾と胃を協調させます。

胃苓湯エキス剤・・・・胃苓湯エキス錠クラシエ36錠

クラシエ胃苓湯36錠成人1日の服用量12錠（1錠400mg）中
胃苓湯エキス粉末・・・1,600mg
（ソウジュツ・コウボク・チョレイ・タクシャ・ビャクジュツ・ブクリョウ・チンピ各1.25g、ケイヒ1.0g、タイソウ・ショウキョウ各0.75g、カンゾウ0.5gより抽出。）
添加物として、乳糖、ステアリン酸Mg、CMC-Ca、セルロース、メタケイ酸アルミン酸Mg、水酸化Al/Mgを含有する。

効能
水瀉性の下痢、嘔吐があり、口渇、尿量減少を伴う次の諸症：食あたり、暑気あたり、冷え腹、急性胃腸炎、腹痛

胃苓湯の使用上の注意・添付文書はこちらから

　　　　　　　
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