■ 当帰飲子の処方解説

当帰飲子は、血虚生風による皮膚の痒みに使用します。

当帰飲子は、皮膚がかさかさしてつやがない・粃糠様の落屑・小さな皸裂・遊走性のかゆみ・かきむしって少量の出血や血痂がみられる・発赤や滲出物はみられないなどの症状に使用します。

当帰飲子の臨床応用

老人性皮膚掻痒症・粃糠疹などで、血虚生風を呈するもの。分泌物の少ない、はげしい発疹がない、発赤も少ない慢性湿疹、掻痒症に老人の皮膚掻痒症などに本方が適用されます。炎症・浮腫の介在するものには適しません。

当帰飲子（煎じ薬）・・・　K 142（薬局製剤）

 配合生薬  薬量  中医効能  方剤解説
 当帰  5.0g  補血調経 血を補い皮膚を栄養滋潤します。
 芍薬  3.0ｇ  養肝斂陰  肝を養い陰液を保持します。柔肝することで肝気をを良好に巡らせます。
 川芎  3.0ｇ  活血行気  気の流れをスムーズにし血流を良くします。
 防風  3.0g  袪風解表  全身の風邪による諸症状を緩和します。
 地黄  4.0g  補血  血を補います。皮膚を栄養滋潤します。
 荊芥  1.5g  透疹・止痒
・袪風解表		  発汗で風寒をさばき袪風します。
 黄耆  1.5g  補気 気を補います。
 甘草  1.0g  薬性調和  他薬の効能を調和させて中焦の機能を調整します。
 蒺梨子  3.0g  疏肝熄風・止痒  風をさばきながら皮膚のかゆみを抑えます。
 何首烏  2.0g  養血滋陰  補血します。皮膚を栄養滋潤します。

当帰飲子エキス剤・・・・当帰飲子エキス顆粒「クラシエ」

クラシエ当帰飲子90包成人1日の服用量3包（1包1.5g）中
当帰飲子エキス粉末・・・3,200mg
〔トウキ2.5g、シャクヤク・センキュウ・シツリシ・ボウフウ各1.5g、ジオウ2.0g、ケイガイ・オウギ各0.75g、カシュウ1.0g、カンゾウ0.5gより抽出。〕
添加物として、ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖を含有する。

効能
体力中等度以下で、冷え性で、皮膚が乾燥するものの次の諸症：湿疹・皮膚炎（分泌物の少ないもの）、かゆみ

当帰飲子の使用上の注意・添付文書はこちらから

　　　　　　　
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