インドネシアのモルッカ諸島の原産で、スマトラ、ジャワなどに分布する熱帯性の常緑樹です。高さは10mになります。また18世紀末にフランス人によって東アフリカ沿岸地帯に移植され、現在ではむしろ
この地方（サンジルバドル島・ペンバ島など）で多く生産されています。
芳香性健胃・食欲増進などの作用があり、胃痛や腹痛をとる目的で漢方処方、家庭薬などに配合されています。つぼみは 始めは白色で、後に緑色を経て鮮紅色に変わります。この開花直前の"つぼみ"を採取して乾燥したものが"丁字"です。
"丁字"からとった油は局所麻酔作用があるため、歯痛やリウマチなどにも応用されます。和名は、つぼみの乾燥品がクギのような形をしているため
"丁"という字に似ていることに由来しています。正倉院御物中に"丁字"が存在することから、日本にもかなり早くから渡来していることが推察されます。また、「源氏物語」にも丁字染めの記事がみられ、防虫・薫香などが主な用途だったと考えられています。成分は精油が15～20％が含まれ、その主成分はオイゲノール(eugenol37～63％)、ガロタンニンなど→丁字(チョウジ)
